Research Press Release
【進化】ジョウカイボン科昆虫の防御化合物
Nature Communications
2012年10月24日
ジョウカイボン科の昆虫は、DHMAという化合物を分泌し、この化合物には、感染性病原体と捕食者に対する防御作用がある。DHMAが属する酸のファミリーは、非常に強力な生物活性があり、その一部については、ヒトの抗がん治療薬や抗微生物治療薬としての研究も行われてきた。
ジョウカイボン科の昆虫は、DHMAとも接触する特定の植物の花を餌とすることが観察されている。ほかの生物の体内からはDHMAが検出されていないため、ジョウカイボン科の昆虫の体内にDHMAが存在しているという事実は、餌となっている花との関連性を反映しているという考え方が示されていた。今回、V Haritosたちは、防御化合物DHMAをジョウカイボン科の昆虫の体内で産生する遺伝子を同定した。そして、この遺伝子を酵母で発現させて、DHMAの活性を調べた。V Haritosたちは、この昆虫の体内のDHMAが、植物における産生経路と異なる経路で産生されていると結論づけている。
doi:10.1038/ncomms2147
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:古代のゲノムからアバール人コミュニティーの社会組織と権力の再編が明らかになったNature
-
天体物理学:マグネターの巨大フレアという珍しい現象が観測されたNature
-
創薬:脳オルガノイドを使って神経発達障害の治療法を検証するNature
-
医学:実験室で培養された「ミニ結腸」をがん研究に用いるNature
-
遺伝学:鳥の歌のリズムを調べるNature Communications
-
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour