Research Press Release
焼き畑農業の遺産
Nature Geoscience
2012年8月13日
かつてブラジルの広い地域を覆っていた残存森林生物群は大量の木炭としての炭素を毎年海洋に供給し続けていると、今週号のNature Geoscience(オンライン版)に発表された研究が報告している。深海に入ると木炭の炭素の大部分は分解に抗して、数百年から数千年の時間スケールで大気へと放出される。
焼き畑農業により破壊されるまでは、ブラジルの大西洋岸森林は地球上で最大の熱帯森林生物群の一つであった。Thorsten Dittmar等は土地被覆の過去の記録を人工衛星データと併せて、16世紀に始まり1973年に終わったこの生物群の燃焼により生成された木炭炭素の量を評価した。彼らは、燃焼は2億から5億トンの木炭炭素を生成したと見積もっている。この地域を流れる河川での測定は、この木炭炭素のかなりの量が毎年海洋へ輸送され続けていることを示している。
doi:10.1038/ngeo1541
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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