Research Press Release
遺伝子が協調してがんを誘導する仕組み
Nature Methods
2012年8月6日
腫瘍の発生をもたらす発がん性の組み合わせの発見に利用可能なマウスモデルが、今週のNature Methodsオンライン版で発表される。
腫瘍は、一定数の遺伝子変異が蓄積した細胞から生じる。腫瘍が生じるかどうか、それがどれだけ悪性であるのかは、変異の特定の組み合わせが決定づけると考えられる。協調して細胞を悪性化させる変異を発見するため、Robert Eferlたちは、無作為な組み合わせで特定組織の3つの変異がん遺伝子の発現を制御することができるマウスを開発した。研究チームはこのモデルを「マルチヒット」と命名した。
このマウスに生じた腫瘍を分析することにより、腫瘍の発生または悪性度の高い腫瘍表現型と関係する発がん協同作用が発見される。研究チームは、このマルチヒットモデルを利用して、肺がんの形成および侵襲性で既知の3種類の変異が担う役割を研究した。
doi:10.1038/nmeth.2130
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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