Research Press Release

癌の治療反応性マーカーを求めて、腫瘍をデジタルマイニング

Nature Medicine

2012年6月11日

DUSP4とよばれる酵素量が少ないことが、ネオアジュバント化学療法(癌の外科的切除の前に行う化学療法)に対する抵抗性や進行性乳癌に関係するとの報告が寄せられている。臨床試験でさらに検証すれば、DUSP4が治療成績のマーカーになるかどうかが確認されるだろう。

癌の外科手術前にネオアジュバント化学療法を行うと、腫瘍を小さくすることができる。しかし、多くの患者ではこの両方に対する完全な反応性が見られず、治療後も癌が残り、転移性疾患のリスクが上昇する。

Carlos Arteagaたちは、ネオアジュバント化学療法後に外科的に切除した腫瘍のデジタルDNA定量を行って、予後不良で生存期間の短い乳がん患者では、発癌性情報伝達の負の調節因子であるDUSP4の量が減少していることを明らかにした。DUSP4減少の結果、発癌性のRas-ERK経路の活性化が起こり、癌細胞のアポトーシスを妨げる原因となるらしい。

これらの知見は、この情報伝達経路が化学療法に対する反応性改善の標的になる可能性を示唆している。

doi:10.1038/nm.2795

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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