Research Press Release
熱に強い有機トランジスター
Nature Communications
2012年3月7日
熱安定性に優れ、通常の医療用殺菌に耐えられる有機トランジスターが、今週、Nature Communicationsに発表される。熱に強く、フレキシブル(柔軟)なデバイスであるため、医療用途に役立つことが期待されている。 有機電子デバイスは、機械的に柔軟かつロバストで、センサーやディスプレイといった幅広い応用可能性がある。医療機器として必要とされるのが、殺菌温度に耐性のあるデバイスだが、そのような条件下に置かれた有機材料は、通常、劣化する。今回、染谷隆夫(そめや・たかお)たちは、摂氏160度までの高温にさらされても熱的に安定な有機トランジスターを用いて薄膜トランジスターを作製し、この新しいデバイスについて標準的な医療用殺菌を実施しても、トランジスターの性質は維持されたことを報告している。染谷たちは、このように柔軟性と薄膜構造を兼ね備えたデバイスが、医療環境での実用的な利用に有望だと結論づけている。
doi:10.1038/ncomms1721
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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