Research Press Release
HIV-1を抑制
Nature Immunology
2012年2月13日
SAMHD1は、ある種の免疫細胞へのヒト免疫不全ウイルス-1(HIV-1)感染を抑制することが知られているタンパク質だが、それは宿主細胞中で、DNAを構成する基本的成分であるdNTPを分解するためであることが明らかになった。 樹状細胞やマクロファージといった造血系免疫細胞は、SAMHD1が発現されているためHIV-1の感染効率が低い。Margottin-Goguet、Landau、Kimたちは、SAMHD1がHIV-1の複製を阻害するのは、マクロファージの細胞内dNTP量を制限するからであることを明らかにした。dNTPはDNAの構成成分であり、HIV-1は複製周期の中間段階で宿主細胞のdNTPを必要とする。このヌクレオチド欠乏は、DNA中間体を経て複製するHIV-1や他のウイルス感染から細胞を守る一般的機構である可能性がある。
doi:10.1038/ni.2236
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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