機械工学:ロボット式折り畳みシートが這い回り、物を拾い上げる
Nature Communications
2025年8月6日
柔軟性を持つロボットシートが物体を把持し、表面を移動できることを報告する論文が、今週のオープンアクセスジャーナルNature Communications に掲載される。この技術は、探査、触覚ディスプレイ(ユーザーが仮想刺激を「感じる」ことを可能にする技術)、およびスマートヘルスケアなどの分野における自律システムを向上させるかもしれない。
形状を変えられるロボットを設計することは、環境の探査や物体の操作など、多様な応用を可能にする。形状変形のための折りたたみ技術は、折り紙に似た手法として確立されている。しかし、従来の固定ヒンジ構造を用いる方法は、構成や適応性の幅を制限してしまう。
Jung Kimら(韓国科学技術院〔韓国〕)は、熱を感知して形状を変化させることができる高密度配列の電気素子を用いて、ロボット折りたたみシートを開発した。著者らは、加熱器およびセンサーとして機能する308個の抵抗器で構成された40平方センチメートルのシートによってこの手法を実証した。この二重機能性により、システムは自身のセンサーからのフィードバックに基づき連続的に制御を調整し、正確な動作制御を可能とする。ロボットシートの器用さは、表面を這う動作や、ペトリ皿、プラスチック包装、および木の棒などの物体の把持と持ち上げる動作により示された。Kimらは、システムが-87°から109°の折り曲げ角度を実現し、30℃から170℃の広い温度範囲においても安定した性能を保持する。また、環境変化に迅速かつ正確に反応し、安定性や効率を向上させることもできる。
著者らは、このプログラム可能な折りたたみシートが自律システムの多様性と適応性を高め、予測困難な地形上でもより効果的に機能できるようになると示唆している。ただし、この技術の潜在力を最大限に引き出すためには、材料技術や構造設計のさらなる進展が必要である。
- Article
- Open access
- Published: 05 August 2025
Park, H., Jeong, Y., Kim, W. et al. Field-programmable robotic folding sheet. Nat Commun 16, 6937 (2025). https://doi.org/10.1038/s41467-025-61838-3
doi:10.1038/s41467-025-61838-3
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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