古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらす
Nature
2025年5月15日
これまで知られていなかった最古の鳥類化石、始祖鳥(Archaeopteryx)の特徴を報告する論文が、今週のNature に掲載される。シカゴ始祖鳥(Chicago Archaeopteryx)を分析した結果、この象徴的な分類群の骨格、軟組織、および羽毛に関する新しい情報が明らかになった。この発見は、この鳥の生態、そして非鳥類恐竜(non-avian dinosaurs)から現代鳥類への進化の変遷に新たな光を当てるものである。
シカゴ標本(Chicago specimen)は、シカゴ・フィールド自然史博物館(Chicago Field Museum of Natural History)が所蔵していることからそう呼ばれ、始祖鳥の14番目の標本として知られている。Jingmai O'Connorら(シカゴ・フィールド自然史博物館〔米国〕)は、ほぼ完全な保存状態の良い三次元標本を画像化し、失われているのは一本の指のみであった。両翼には、三列風切羽(tertials)と呼ばれる特殊な内側の副羽毛が確認できる。前環椎(proatlases)と呼ばれる対になった骨は、頭蓋骨と脊椎の間にある。以前認識されていたよりも頭蓋骨は硬くなく、そして、尾は長い。軟部組織の分析から、手の小指は自由で動くことができ、鳥の足裏パッドの形状から、地上での移動に適応していたことがわかった。
鳥類に近縁の非鳥類恐竜は、翼の上部に尾状羽毛を持たない。著者らは、シカゴの標本にこの羽毛があることから、この羽毛が飛行用に進化し、連続した空気力学的表面を作り出した可能性があると推測している。他の特徴とともに、これらの発見は、ある程度の飛行に適応し、陸上と樹上とが混合型の生態系を持つ鳥であることを示唆している。
- Article
- Published: 14 May 2025
O’Connor, J., Clark, A., Kuo, PC. et al. Chicago Archaeopteryx informs on the early evolution of the avian bauplan. Nature (2025). https://doi.org/10.1038/s41586-025-08912-4
doi:10.1038/s41586-025-08912-4
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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