Research Press Release
地上からの赤外線波長での天体観測に役立つフィルター
Nature Communications
2011年12月7日
地上に設置された天体望遠鏡に影響を及ぼす赤外域での干渉の問題を解決する1つの方法が発表された。今回の研究では、オンスカイ試験が行われ、迷惑な光線を遮断するフォトニックフィルターの性能が実証された、この技術は、既存の天体望遠鏡と未来の天体望遠鏡に応用され、赤外線天文学にとっての新たな研究機会をもたらすかもしれない。詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 上層大気での発光は、極端な明るさに達するため、地上から夜空を赤外線観測するうえで障害となっている。この問題は、天体望遠鏡を搭載した人工衛星を打ち上げて、大気圏外から観測することで解決できるが、これには非常に多額の費用がかかる。今回、J Bland-Hawthornたちは、フォトニクス研究の新たな進展に基づいて、干渉作用のある輝線を抑制するフィルターを開発した。このフィルターについては、夜空の観測での試験が行われ、観測波長範囲に影響を及ぼさずに明るい輝線が除去された。
doi:10.1038/ncomms1584
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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