Research Press Release
薬物が代謝に与える影響を調べる
Nature Communications
2011年11月24日
候補薬剤で処理した細胞の代謝に生じる影響を調べるための新たな方法が明らかになった。この方法は、多くの新薬の特性解析と開発に役立つかもしれない。 今回、G Paternostroたちは、哺乳類の細胞を薬物様分子で処理した場合に細胞の代謝に及ぶ影響を評価するための核磁気共鳴(NMR)を用いたハイスループット・スクリーニング法を開発した。病気にかかると代謝が変化することが多いため、治療中の代謝の変化を常時把握できれば、治療薬の効能評価と新薬開発に役立つ可能性がある。 さらに、この論文に示された技術の妥当性は、既知のキナーゼ阻害剤のライブラリーを用いて確認された。今後の研究しだいで、薬物探索に用いる方法の開発につながるかもしれない。
doi:10.1038/ncomms1562
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
気候変動:鉱物資源の不足が低炭素化移行を制限する可能性Nature Climate Change
-
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature