Research Press Release
イネにとって大事な鉄輸送体
Nature Communications
2011年5月25日
イネの生長と発育にとって大事な鉄輸送体が同定された。この鉄輸送体を標的とした方法が、イネの栄養価の向上にとって重要な意味を持つかもしれない。この研究成果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
今回、東京大学の西澤直子らは、約4000種のイネ系統についてスクリーニングを行って、鉄欠乏の症状が見られるイネ系統1種を見いだした。この変異イネ系統には、ミトコンドリアに局在するタンパク質であるミトコンドリア鉄輸送体の変異が見られ、生長異常があった。
この新しい知見は、イネの鉄分増加にとって大事な意味を有するかもしれない。イネの鉄分は、ヒトの鉄分不足を解消するうえで重要な役割を果たす可能性があるのだ。
doi:10.1038/ncomms1326
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
気候変動:鉱物資源の不足が低炭素化移行を制限する可能性Nature Climate Change
-
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature