Research Press Release
マウスの受精卵がうまく育つかどうかを予測する方法
Nature Communications
2011年8月10日
マウスの受精卵の細胞質における変化を調べることで、受精卵が順調に成長するかどうかを予測できることがわかった。この知見は、ヒト体外受精の改良に重要な意味を持つかもしれない。研究結果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
受精卵の細胞の中身は動いており、その動きの変化は、実験室で測定することができる。今回、M Zernicka-Goetzたちは、マウスの受精卵で、こうした変化がカルシウム振動と細胞骨格に関連していることを見いだした。また、Zernicka-Goetzたちは、マウス受精卵の細胞内における変化の頻度と振幅に基づいて、どの受精卵が生存を続けて胚盤胞期に達する可能性が高いのかを予測し、細胞運動の速い受精卵と運動と運動の間の間隔の長い受精卵の発生能が最も高いことを指摘している。
Zernicka-Goetzたちは、ヒトの受精卵についても、こうした変化を測定でき、受精の成功を予測できるようになるかもしれないと考えている。
doi:10.1038/ncomms1424
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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