Research Press Release
統合失調症に関連する遺伝的多型
Nature Genetics
2011年10月31日
漢民族系中国人の統合失調症に関連する遺伝的多型を調べた2つの独立した研究の結果が明らかになった。これらの研究では、ヨーロッパ系集団に関する研究結果と比較することで、漢民族系中国人における集団特異的な多型を検討し、統合失調症に関連する遺伝子候補を新たに同定した。
Y Shiたちは、漢民族系中国人に関して、統合失調症の3,750症例を対象としたゲノムワイド関連解析を行い、さらに4,383症例で追試を行って、解析結果の再現性を確認した。その結果、統合失調症に対する感受性に関連する2つの座位がゲノム上に新たに同定された。
一方、D Zhangたちは、同じく漢民族系中国人に関して、統合失調症の746症例を対象としたゲノムワイド関連解析を行い、さらに4,027症例で追試を行って、解析結果の再現性を確認した。この研究では、統合失調症感受性に関連する1つの座位がゲノム上に新たに同定された。
doi:10.1038/ng.980
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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