古生物学:ジュラ紀の骨格化石から爬虫類の進化に関する手掛かり
Nature
2022年10月27日
スコットランドの中期ジュラ紀地層から出土した初期爬虫類のほぼ完全な骨格化石について報告するMateusz TałandaとRoger Bensonたちの論文が、Nature に掲載される。この化石は、爬虫類(例えば、トカゲやヘビの現生種)のボディープランの確立につながった数々の解剖学的構造の変化に関する理解を進める可能性がある
有鱗目は、爬虫類の分類群の1つで、約2億4000万年前に生息していた共通祖先から分岐した1万種以上の現生種が含まれている。有鱗目のボディープランの起源と進化に関する我々の理解は、初期の化石記録の空白と、分子的系統解析と形態学的系統解析の仮説に関する論争が続いていることによって制約を受けている。
この論文には、スコットランドのスカイ島で出土した原始有鱗目のBellairsia gracilisの骨格化石について記述されている。この化石は、保存状態が良く、ほぼ完全な骨格が維持されており、約1億6700万年前の中期ジュラ紀のものとされる。Tałandaたちは、高解像度X線画像を用いてB. gracilisの骨格を解析した。その結果、B. gracilisが祖先形質(有鱗目の共通祖先から受け継いだ形質)と派生形質(進化的分岐によって生じた形質)の両方を持っていたことが明らかになり、有鱗目のボディープランの進化を解明するための新たな手掛かりが得られた。この祖先形質は、口蓋と脊椎に見られ、派生形質は、頭部と肩に確認された。
Tałandaたちは、B. gracilisと他の有鱗目化石種の類似性を推定した上で、有鱗目の進化した初期種が、少なくとも中期白亜紀(約1億2000万年前)まで、陸生分類群とともに生息していた可能性が示されていると結論付けている。
doi:10.1038/s41586-022-05332-6
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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