Research Press Release

“シビレル”音楽の満足

Nature Neuroscience

2011年1月10日

音楽を聴いて満足を感じると、神経伝達物質であるドーパミンが放出されるとの研究が、Nature Neuroscience(電子版)に報告される。ドーパミンは、食物や精神活性薬剤や金銭といった報酬に付随する実体的な満足に重要なかかわりがある。 V Salimpoor、R Zatorreらは、“シビレル”と感じさせる音楽に応答して放出されるドーパミンの量を、音楽の満足度に関連する皮膚コンダクタンスや心拍数、呼吸数の変化として測定した。集約的な技法2種により、ドーパミン放出は満足度の高い音楽のほうが普通の音楽より多く、放出量は感情喚起や満足度に相関していることが示唆された。 Salimpoorらは、満足な音楽の予感だけでもドーパミン放出につながることを発見した。これらの結果は、人間社会を横断して音楽が高い価値を得ている理由を示唆している。

doi:10.1038/nn.2726

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度