Research Press Release
小型で大量生産可能な蛍光顕微鏡
Nature Methods
2011年9月12日
マウスが頭にのせたまま動くことができるほど小さく丈夫で、完全に自己完結的な小型の蛍光顕微鏡が、Nature Methods(電子版)で発表される。この顕微鏡は、携帯可能な野外用装置として使用したり、多重顕微鏡を仕立てて多数の試料を並列的に画像化したりすることができる。
神経科学から野外診断までの用途に使う携帯型の安価な顕微鏡システムの開発には、これまで多大な労力が費やされてきたが、そうしたシステムには大きな制約があった。M Schnitzerたちが発表する多用途の蛍光顕微鏡は、質量わずか1.9グラムながら、光源から光学系、画像検出器に至るまで、すべて大量生産可能な部品を用いて製作されている。多くの潜在的用途を示すために、自由に行動するマウスの血流および神経シグナル伝達が画像化され、ゼブラフィッシュが並列的に画像化され、診断用途の将来的有用性を評価する方法として培養細胞および細菌の計数が行われた。
このシステムの設計は、簡単で低コストの大量生産を可能にする、と研究チームは考えている。改善の余地は残されているが、その性能は標準的な本格的規模の蛍光顕微鏡に近づいている。
doi:10.1038/nmeth.1694
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature