Research Press Release

COVID-19:長期間の自己隔離は期待されているほど有効でないかもしれない

Scientific Reports

2021年7月21日

COVID-19: Shielding may not be as effective as expected

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクが最も高い集団のシールディング(長期間の自己隔離)が、2020年3月から7月末までスコットランド西部で実施されたが、期待通りの成果を収められなかったと考えられ、シールディングを勧告された者が、勧告されなかった者よりも感染率と死亡率が高かったという分析結果を報告する論文が、Scientific Reports に掲載される。

今回、Jill Pellたちの研究チームは、2020年3月から5月の間に英国国民保健サービス(NHS)のグレーターグラスゴー・クライド地域の家庭医に登録された131万5071人の患者のデータを分析した。そのうち2万7747人がシールディングの勧告を受けた。また、35万3085人はシールディングの勧告を受けていないが、Pellたちは、糖尿病などの健康状態を理由にCOVID-19のリスクが中程度に分類した。残りの93万4239人は低リスクに分類された。

今回の研究で、シールディングの勧告を受けた集団が、低リスク集団と比べて、感染が検査確定する確率が8倍高く、検査確定後に死亡する確率が5倍高かったことが明らかになった。また、中リスク集団は、低リスク集団と比べて、感染が検査確定する確率が4倍高く、検査確定後に死亡する確率が5倍高かった。

シールディングを行った集団では感染の検査確定症例が299例(1.1%)で、COVID-19による死亡が140例(0.51%)だった。中リスク集団では感染の検査確定症例が1859例(0.53%)で、COVID-19による死亡が803例(0.23%)となり、低リスク集団では感染の検査確定症例が1190例(0.13%)で、COVID-19による死亡が84例(0.01%)だった。

Pellたちは、最もリスクの高い集団のシールディングを実施する試みが期待されたほど成功しておらず、シールディングは、個人を感染から守るための介入策として、全ての集団に適用される他の対策(フィジカルディスタンシング、顔面被覆具、手指衛生など)とともに実施すべきものととらえるのがせいぜいなのではないかと結論付けている。ただし、Pellらは、この研究知見が、グラスゴーとクライドとその周辺地域を示した知見であり、他の地域や国々にそれほど当てはまらない可能性があると注意喚起をしている。

doi:10.1038/s41598-021-94630-6

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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