Research Press Release

疫学:モデルナ社製ワクチンはアルファ変異株とベータ変異株にも有効

Nature Medicine

2021年7月9日

Epidemiology: Moderna vaccine effective against Alpha and Beta variants

モデルナ社製の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)ワクチンは、2回目の接種後14日経った時点で、SARS-CoV-2アルファ変異株に対しては100%、ベータ変異株に対しては96%有効であったことが、カタール在住のワクチン既接種者を調べた研究により明らかになった。この報告はNature Medicine に掲載される。

モデルナ社製ワクチンがカタールで最初に接種されたのは2020年12月28日だが、大規模な接種が始まったのは2021年2月後半である。ワクチン接種キャンペーンが拡大している中で、カタールでは、このウイルスの懸念される変異株(VOC)であるアルファ株(B.1.17)とベータ株(B.1.351)の侵入と拡大によって、2回の感染拡大が立て続けに引き起こされた。これが、変異株への感染に対するモデルナ社製ワクチンの有効性を実社会で評価するまたとない機会となったのである。

Hiam Chemaitelly、Laith Abu-Raddadたちは、2020年12月28日から2021年5月10日までにワクチン接種を少なくとも1回受けた25万6037人と、この期間に2回の接種を完了した18万1304人から得られたデータを解析した。カタールの人口構成は若年者が多く、また多様であり、50歳以上は住民の9%にすぎず、住民の89%は150を超える国からの移住者である。アルファ株に対するワクチンの有効性を調べたコホートの平均年齢は31歳、ベータ株の場合は32歳である。解析により、初回接種から14日後の時点でのアルファ株に対する有効性は88%であり、2回目接種から14日後の有効性は100%であることが分かった。ベータ株に対しては、初回接種から14日後の有効性は61%、2回目接種から14日後の有効性は96%だった。またこのワクチンは、どのようなSARS-CoV-2感染(主としてアルファ株、ベータ株による)が原因の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)であっても、重症、重篤あるいは致死的な症状を防ぐ効果が非常に高いことがわかった(初回接種後は82%、2回目投与後は96%)。

著者たちは、カタールの人口に若年者が多いことを考慮して、もっと年齢が高い集団でもこのような有効性が見込めるかどうかは、まだ分からないと述べている。

doi:10.1038/s41591-021-01446-y

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度