物理学:ライドシェア導入のモデル化を改善する
Nature Communications
2021年6月2日
都市部の利用者によるライドシェア(自動車相乗り)の導入に関する新たな知見を示した論文が、今週、Nature Communications に掲載される。今回の研究は、ライドシェアサービスの利用者に対する奨励金を少し増額すれば、ライドシェアの導入に大きな影響を与える可能性のあることを示唆している。
複数回の乗車を1つに統合するライドシェアについては、その分析とモデル化によって、このシステムの技術効率性、アルゴリズムの実現可能性、輸送インフラの発展にプラスとなり得る影響が実証されてきた。しかし、実際には、交通量の多い地域でのライドシェアの導入率は低いことが多い。そのため、人々がどのような条件下でライドシェアを進んで導入するのかを解明する必要がある。
今回、David Storch、Marc Timme、Malte Schröderの研究チームは、交通量の多い複数の都市でのライドシェアのシナリオを調べた。この研究では、ゲーム理論とデータ駆動型手法を併用して、ライドシェアサービスの利用者に対する奨励金の観点を考慮に入れた。Storchたちのが示した理論的知見は、2019年のニューヨーク市とシカゴでの3億6000万件を超える乗車リクエストの分析によって裏付けられている。Storchたちは、都市部のライドシェアに2つの形態が共存しているという見方を示している。1つは、全体的な乗車需要が増加するとライドシェアの回数が増加するという形態で、もう1つは、ライドシェアの導入率が一定レベルで推移するという形態だ。また、Storchたちは、1つの形態がもう1つの形態に突然切り替わるシナリオも明らかにした。今回の知見は、ライドシェアサービスに対する現在の奨励金が、高いライドシェアの導入率が達成されると考えられる限界に近く、奨励金を少し増額するだけでライドシェアの導入率に不釣り合いに大きな影響を与える可能性があることを示唆している。
doi:10.1038/s41467-021-23287-6
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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