Research Press Release
HIV伝播の連鎖を解明する
Nature Communications
2011年5月25日
疾患の伝播パターンを解析するための新しい方法が開発された。このアルゴリズムをHIV遺伝子の塩基配列の一部に適用することで、伝播クラスターを同定し、分子データや疫学データと関連付けることができた。この研究成果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。
系統樹の分割という現象、すなわち疾患の進化を解明すれば、ウイルス伝播と疾患伝播の連鎖の決定因子の同定に役立つことがある。しかし、現在のところは、大規模な系統樹を自動的に解析するためのソフトウェアがない。今回、M Prosperiらは、新しい探索アルゴリズムを用いて、大型のイタリア人コホートにおけるHIV-1遺伝子の塩基配列の系統樹内に伝播クラスターを同定した。この方法を用いることで、臨床的要因や人口統計学的要因ごとに伝播の連鎖の特徴を解明することができ、HIV疾患の新たなスクリーニング方法や早期介入法の開発に役立つ可能性がある。
doi:10.1038/ncomms1325
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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