Research Press Release
ヒメシロチョウの隠蔽種は3種
Nature Communications
2011年5月25日
これまでヒメシロチョウ(Leptidea sp.)は、2種の「同胞」からなると考えられていたが、実際には、3種から構成されていることが明らかになった。今回の新種の発見は、広範に生息し、最もよく研究されている種であっても、種分化や多様性に関する発見があることを示している。この研究成果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 今から20年前、ヒメシロチョウには隠蔽種(他の種から生殖的に隔離されているが、外観がほとんど同じ種)が存在し、L. sinapisとL. realiであることがわかった。今回、R Vilaらは、DNAデータと形態学的データを用いて、この隠蔽種が、新階級のL. juvernicaを含めて、実際には3種によって構成されていることを明らかにした。 このような隠蔽種の多様性を解明することは、進化と生態系過程のパターンを明らかにするうえで役立ち、自然保護にも重要な意味を持つ。
doi:10.1038/ncomms1329
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature