電子工学:冷却システムを内蔵したマイクロチップ
Nature
2020年9月10日
マイクロチップに集積された液体冷却システムが、従来の電子冷却法と比較して、並外れた冷却性能を示すことを報告する論文が、今週、Nature に掲載される。電子チップ内に直接液体冷却システムを埋め込むことは、電子回路の発熱を制御するための持続可能で費用効果の高い方法として有望視されている。
デバイスの小型化への需要が高まるにつれて、電子回路の冷却の難度が上がっている。水冷システムは、電子回路の冷却に使用できるが、効率の低いものがあるために、環境への影響がますます大きくなっている。例えば、米国内のデータセンターだけで、年間24テラワット時の電力と1000億リットルの水が冷却のために消費されている。これは、フィラデルフィアと同じ規模の都市全体の消費需要に匹敵する。
マイクロチップに液体冷却システムを埋め込む方法は注目に値するが、現在の設計では、別々に作製されたマイクロチップと冷却システムを使用するため、冷却システムの効率が制限される。Elison Matioliたちの研究チームは、今回の論文で、マイクロ流体技術を応用したヒートシンクと電子回路を組み合わせて設計し、同じ半導体基板内で作製する集積手法について記述しており、その冷却能力が従来の設計の最大50倍であると報告している。Matioliたちは、この方法は、大型の外部ヒートシンクを使用する必要がないため、電力変換装置などのより多くの小型電子デバイスを1個のチップに集積できる可能性もあると結論付けている。
doi:10.1038/s41586-020-2666-1
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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