Research Press Release

【神経科学】母胎内でTHCにさらされたラットの脳と行動に生じる変化

Nature Neuroscience

2019年10月15日

雄ラットでは、大麻の主要な精神活性成分であるTHCへの出生前の曝露が、前青年期におけるドーパミンニューロンの活動亢進と、THCの行動的影響に対する感受性の上昇に関連していることを示唆する論文が掲載される。

大麻入手の合法化が進むにつれて、つわりや不安などの症状を治療するために大麻を使用する妊婦が増えてきている。大麻の使用が乳児の脳の発達に長期的な影響を及ぼす可能性のあることを示す証拠が出始めているが、どのようにしてそうなるのかは分かっていない。

今回、Miriam Melisたちの研究グループは、妊娠中のラットにTHCを投与して、その仔が青年期に達した時に検査を行うことで、出生前大麻曝露のラットモデルを作製した。今回の研究では、多くの精神疾患において損なわれている行動調節の指標となるプレパルス抑制パラダイムにおいて、仔ラットのTHC感受性が雄は上昇したが、雌は上昇していないことが明らかになった。また、報酬や動機付けに関与する脳領域(腹側被蓋野)のドーパミンニューロンの活動が亢進していることも観察された。Melisたちは、米国FDAの承認薬であるプレグネノロンで青年期のラットを治療することにより、これらの行動とニューロンの変化を修正できた。プレグネノロンについては、大麻使用障害、統合失調症、自閉症と双極性障害の治療薬として臨床試験が行われているところだ。

doi:10.1038/s41593-019-0512-2

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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