Research Press Release
熱で腫瘍を破壊するナノ粒子
Nature Nanotechnology
2011年6月27日
ナノ粒子を利用した薬剤不使用の非侵襲性がん治療法が従来の治療法より優れている場合があることが、Nature Nanotechnology(電子版)に報告される。
J Cheonらは、金属酸化物ナノ粒子をマウスの腫瘍に注入し、高周波を照射することによって加熱し、腫瘍を破壊した。標準的な化学療法治療では、これほどうまく腫瘍を破壊できなかった。
金属酸化物ナノ粒子は吸収した電磁波を熱に変換するが、このときの変換効率が非常に高いことがこの新しい治療法の成功のカギとなっている。2種類の異なる磁性材料からコア-シェル型のナノ粒子を作製することによって、磁気特性の微調整が可能となり、このような高い変換効率が実現されたのだ。
doi:10.1038/nnano.2011.95
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
気候変動:鉱物資源の不足が低炭素化移行を制限する可能性Nature Climate Change
-
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature