【神経科学】イヌはてんかん発作のにおいを嗅ぎ分けられる?
Scientific Reports
2019年3月29日
イヌがヒトのてんかん発作に関連する特異なにおいを感知できる可能性を明らかにした小規模研究について報告する論文が、今週掲載される。この予備的な結果から、てんかん発作のにおいの特徴を用いた発作の予測が将来的に実現する可能性が示唆される。
これまでの研究から、乳がんや肺がんなどの疾患は、体のにおいの特異的変化と関連していることが明らかになっている。これに対して、てんかん発作は、患者特異的で非常に多様であるため、においプロファイルに反映されている可能性の有無が検証されてこなかった。
今回、Amelie Catalaたちの研究グループは、てんかん患者が発作を起こしている時、起こしていない時、および身体運動後にそれぞれ、複合的なにおい(息のにおいと体のにおい)を採取し、これらを特別な訓練を受けたイヌ(雌3匹と雄2匹)に嗅がせた。それぞれのにおいサンプルの入った計7個の缶が配置され、そのうち1個だけが発作を起こした時の患者のにおいがする缶だった。この試験は、それぞれのイヌについて9回ずつ行われた。イヌがてんかん発作時のにおいを感知する能力(感受性)は67~100%だったが、それ以外のにおいを正しく判定する能力(特異性)は95~100%だった。
今回の結果は、てんかん発作と患者の体臭が多様であるにもかかわらず、てんかん発作が特異なにおいプロファイルと関連していることを示唆している。将来的には、これらの特徴を用いて発作を予測し、患者がより安全な環境を探せるかもしれない。ただし、発作のにおいの化学的特性を突き止め、そのにおいが発作の前から存在しているかを明らかにするには、さらなる研究が必要だ。
doi:10.1038/s41598-019-40721-4
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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