Research Press Release
流れのなかで一分子を追跡する
Nature Methods
2011年2月7日
改良された一分子蛍光実験法が、Nature Methodsの2本の論文で発表される。一分子の力学を明らかにすることは、基礎レベルとともに、タンパク質構造のモデル化および薬物デザインの面でも重要である。
一分子の観察からは、分子の集団を研究する典型的な実験では知ることができない分子の挙動に関する洞察が得られる。例えば、あるタンパク質が不活性の非折りたたみ状態から機能を持つ折りたたまれた構造に変化するとき一時的にとる中間体状態は、一分子が折りたたまれるのを追跡しなければ見いだすことができない場合が多い。
A Denizたちは、一分子の検出に対応することができるように出力フローを低速化した高速微小流体混合装置を発表している。この研究チームは、その装置を用いて、一分子蛍光共鳴エネルギー移動という検出法により、本質的に異常なタンパク質「αシヌクレイン」の折りたたみの初期段階を追究した。
別の研究で、D Majumdarたちは、一分子実験の処理能力を大幅に向上させている。蛍光画像法に対応可能な自動化された微小流体混合装置を用い、この研究チームは、手動による方法では不可能と考えられる規模のさまざまな環境条件で、一分子の立体配座変化および酵素活性を追跡した。
doi:10.1038/nmeth.1568
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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