Research Press Release
【物理学】非接触方式でクリーンな水蒸気を発生させる
Nature Communications
2018年12月12日
太陽光と光吸収材料を用い、この材料を塩水や汚染水と直接接触させずにクリーンな水蒸気を生成する方法について報告する論文が、今週掲載される。
熱伝導材を水面に浮かばせて太陽光で加熱する手法は、塩水を加熱して水蒸気を生成するための低コストで環境に優しい方法で、生成された水蒸気を凝縮させて飲料水を作ることができる。しかし、この過程の後に残る塩分や不純物が必然的に熱伝導材を汚損するため、このデバイスの性能は、使用期間が長くなると低下する。
今回、Thomas Cooper、Gang Chenたちの研究グループは、水と物理的に接触させる必要のない光吸収材料を用いたデバイスを作り出した。このデバイスは、熱伝導によって水を直接加熱するのではなく、赤外線を発する黒色塗装部を加熱する。水は、このデバイスの下側のやや離れた所にあり、赤外線を吸収して加熱され、水蒸気を発生する。
このようにデバイスが水と接触しないため、デバイスの汚損を避けることができ、使用時間が長くなってもクリーンな水を効率的に生成できる。このような太陽光を利用した脱塩システムは、持続可能な方法で全世界に飲料水を供給するという遠大な課題に取り組むことができるかもしれない、と研究グループは結論付けている。
doi:10.1038/s41467-018-07494-2
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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