Research Press Release

岩屑流が成長する理由

Nature Geoscience

2010年12月20日

湿った土地の上を動く地滑りは、流れの重さが堆積物粒子間の水圧を増加させるので運動量を得る。このことにより、流れの底で摩擦が減少し、質量を得て速度が増すことになるとの報告が寄せられている。

R Iversonらは、独自の95メートルの長さをもつ水路を用いて、地滑りが成長したり遅くなったりするメカニズムを評価した。彼らは、質量と速度が増加するためのカギは、底にある湿った堆積層の存在であることを見いだした。すなわち、乾いた土の上を動く岩屑流は、底が湿った上を動く場合よりも、物質も速度も増加は少ないのである。

多くの地滑りは強い降雨や融雪が引き金となって起きるが、このメカニズムは地滑りの規模が劇的に増大する理由の一部を説明できる。

doi:10.1038/ngeo1040

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度