Research Press Release
結核に対する二重の防御
Nature Medicine
2011年1月24日
結核菌に曝露する前、曝露後のどちらでも結核を抑える効果を示す新しいワクチンの報告が寄せられている。
現在臨床試験が行われている結核ワクチンは、結核菌Mycobacterium曝露前の接種で予防作用を示すよう設計されている。しかし、結核菌が静止状態にあるものの再活性化する可能性のある、「潜伏感染」を経験する人は多い。この潜伏状態は、既存の結核ワクチンの標的にはならない。
C Aagaardたちは、活性な結核菌にだけでなく潜伏状態の結核菌に対しても免疫応答を起こさせるタンパク質を組み合わせた、新しいワクチンを開発した。この新戦略ワクチンは、ワクチンのすべての成分タンパク質に対する免疫応答を促進する。このワクチンは、3種類の曝露前マウスモデルにおいて結核予防効果を示し、2種類の結核潜伏感染マウスモデルでは再活性化を抑制した。
doi:10.1038/nm.2285
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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