Research Press Release
サンゴ礁に生息するサザナミハギのストレスをマッサージで癒す
Nature Communications
2011年11月16日
マッサージ療法は、ヒトの場合と同じように、サザナミハギ(Ctenochaetus striatus)のストレスも軽減するようだ。サンゴ礁生態系では、掃除魚が、サザナミハギについた寄生虫を取り除いているが、その際の物理的接触にストレス軽減という健康上の効用もあることがわかったのだ。
今回、M Soaresたちは、掃除魚がサザナミハギに加える触覚刺激を実験室内で模倣するため、掃除魚にそっくりのモデルを作製して、サザナミハギのコルチゾール値に対する影響を測定した。この実験で、コルチゾール値は低下し、社会的交流のない単なる物理的接触によってストレスが軽減されることが示された。これまで、マッサージの健康効果は、ヒトについてのみ実証されていたが、今回の研究結果は、サザナミハギの場合にも健康効果があることを示唆している。
doi:10.1038/ncomms1547
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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