Research Press Release
永久凍土の劣化が湿地帯の損失をもたらす
Nature Geoscience
2011年6月6日
永久凍土の解凍は湿地帯の面積を減少させているとの報告が寄せられている。湿地帯は炭素を含んで保存し二酸化炭素とメタンを放出するので、湿地帯の面積の減少は高緯度地方の炭素放出に影響を与える可能性がある。
C Avisらは、全球気候モデルを用いて、温暖化ガス放出の増加により生じる永久凍土の融解が北半球高緯度地域の湿地帯に及ぼす影響を調べた。彼らのシミュレーションは、永久凍土の劣化によって表層水がより深部の土壌層へと排出されるために、湿地帯の面積を減少させることを示唆している。
doi:10.1038/ngeo1160
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change