Research Press Release

絶対零度付近で初の超伝導

Nature Nanotechnology

2011年5月23日

バルクでは超伝導を示さないのに表面で超伝導を示す初の材料がNature Nanotechnology(電子版)に報告される。超伝導は、特定温度未満に冷却された材料において電流抵抗がなくなる現象であり、初めて観測されたのが100年前である。このたび、川崎雅司らは、タンタル酸カリウム単結晶に金属電極を蒸着した後、一滴の導電性液体をのせ、電気二重層トランジスターとよばれるデバイスを作製した。彼らは、トランジスターがもたらす超高電界によってタンタル酸カリウム結晶の表面が0.005ケルビン未満の温度で超伝導になることを見いだした。この新材料は、すぐには応用に結びつかないと予想されるが、新しい超伝導体の発見に役立つ可能性がある。

doi:10.1038/nnano.2011.78

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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