Research Press Release
古生物学:一風変わった歯を持っていた新種の恐竜
Scientific Reports
2017年10月27日
フランス南部に生息していた新種の恐竜の歯が通常と異なっていることを説明する論文が、今週、Scientific Reports に掲載される。
このPascal Godefroitたちの論文では、カンパニアン期後期(約8,400~7,200万年前)のラブドドン科(二足歩行の草食恐竜の分類群)の新種Matheronodon provincialisについて説明されている。この恐竜の化石は、ヴロー-ラ・バスティッド・ヌーヴ(フランス)で発見されたもので、この恐竜には高さ約6 cmの大きな歯があり、先端部は、たがねの刃先に似ている。Godefroitたちは、この歯の微細構造を調べて、歯冠の分厚いエナメル質表面に沿って数々の溝があり、ギザギザのついた自己研削型スライス刃になっていることを明らかにし、ラブドドン科恐竜の歯列と咀嚼装置が、精密で強力なせん断作用を生み出すように適応しており、はさみのようになっていたという考えを示している。
また、Godefroitたちは、生体力学的観点から、この新種の恐竜に見られる大型の刃先のような歯が固い食料の粉砕に最もよく適応していたと主張しており、ラブドドン科恐竜がサバリテスやパンダナイトのように厚膜繊維(機械的剛性と機械的強度を与える植物組織)を豊富に含む固い植物部位を選択的に摂食することに適応したという考えを示している。
doi:10.1038/s41598-017-13160-2
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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