Research Press Release
パタゴニア氷河から得られた加速する海面上昇
Nature Geoscience
2011年4月4日
パタゴニア氷原の融解速度は20世紀にはその前の数世紀よりも顕著に大きかったとの報告がNature Geoscience(電子版)に寄せられている。 N GlasserとS Harrisonらは、パタゴニア氷原の北部と南部で氷の損失量、すなわち小氷期以降に海洋に流入した融解水の量を見積もった。氷河の広がりは北部では 1870年に、また南部では1650年に最大となった。彼らは、この最大値が起こった後では、北部と南部の氷原はそれぞれ年間1000分の数ミリ程度の海面上昇に寄与しているだけであることを見つけた。 この長期にわたる海面上昇の見積もりは、過去50年間に対する見積もりよりも1桁小さいものであり、融解速度は20世紀になって大きく増加したことを示唆している。
doi:10.1038/ngeo1122
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature