Research Press Release
熱帯太平洋が西南極を暖めている
Nature Geoscience
2011年4月11日
西南極大陸で近年冬季の温度が上昇していることは、熱帯太平洋の海面温度が上昇していることで起きていると、Nature Geoscience(電子版)の研究が示唆している。この西南極の温暖化は、大気循環の変動を通して熱帯太平洋の温度と関連している。
E Steigらは、南極と全球の海洋の表面温度の観測と大気循環のデータを共に解析し、太平洋の海面温度が、冬季に温暖な大気を西南極にもたらす大気の力学過程に及ぼす影響を同定した。彼らはまた、気候モデルのシミュレーションを行い、熱帯の気候と高緯度との間に見られるこのような関連性を確認した。
doi:10.1038/ngeo1129
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change