Research Press Release
がん細胞との闘いに光明
Nature Medicine
2011年12月1日
腫瘍細胞を選択的に殺す方法(光免疫療法)の報告が寄せられている。 現代のがん治療の主流は、外科手術、放射線照射、化学療法だが、特定分子に狙いを定めた標的療法が開発され、ある程度成功をおさめている。 H Kobayashiたちによって、がんの標的療法の装備に新たな武器、光免疫療法が加わった。この方法で利用するのは、近赤外光に反応する分子に結合させた抗腫瘍抗体である。腫瘍のあるマウスに近赤外光を当てると、がん細胞が選択的に死ぬことが判明した。 これまでに、光を利用した治療法は他にも開発されているが、Kobayashiたちは大きな違いに気付いた。この修飾抗体は、標的細胞に結合しない限りは毒性を示さないのである。この新技術が臨床に利用できるとするなら、この特性が非常に重要かもしれない。
doi:10.1038/nm.2554
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature