Research Press Release
鈍感な気候モデル
Nature Geoscience
2011年6月27日
気候変動に関する政府間パネルの評価に用いられた最先端の気候モデルは、将来の急激な変動については誤った安心感を与える可能性があることを示唆するCommentaryが、Nature Geoscience(電子版)に掲載される。
P Valdesは、古気候データから再現された過去5500万年にわたる急激な気候変動について、4つの例を論じている。そのうちの2つの場合では、将来の気候変動の評価に用いられた複雑な気候モデルは変化の始まる前の条件を正しくシミュレーションしていなかった。もう2つの場合では、過去の気候記録に見られるような変動を生じさせるためにはモデルは非現実的な強さの一押しを必要とした。
Valdesは、最先端の気候モデルは急激な気候変動の可能性について系統的に過小評価している可能性がある、と結論している。
doi:10.1038/ngeo1200
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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