【感染症】マウス胎仔をジカウイルス感染から守る抗体療法
Nature
2016年11月8日
妊娠マウスがジカウイルスに感染した場合にその胎仔の損傷を予防する上で役立つと考えられる新しい抗体療法を提案する論文が掲載される。この新知見の臨床応用可能性については、マウスとヒトの妊娠の特徴に違いがあるため、今後の研究の積み重ねによって明らかにしていく必要があるが、今回の発見はワクチン設計研究に有益な情報をもたらすために役立つと期待されている。
ジカウイルス感染は、成人のギランバレー症候群や胎児の小頭症などの神経障害の原因であることが知られている。2016年2月には、世界保健機関が、現在のジカウイルス感染症の流行について、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に当たると宣言した。
今回、James Croweたちは、過去にジカウイルスに感染したことのある人々の白血球からヒト抗体を単離し、予備検査によって特に強力と考えられる抗体に注目し、この抗体をジカウイルス感染症のマウスモデルで検証した。妊娠マウスをジカウイルスに感染させ、ウイルス感染前後のいずれかの時点で抗体を与える実験がそれぞれ行われ、いずれの場合も母マウスと胎仔のジカウイルス量が減り、胎盤損傷の程度が小さくなり、胎仔のサイズが大きくなった。
この結果は、この抗体療法が予防措置としてだけでなく、ウイルス感染後でも有益なことを示唆している。これは、抗ウイルス療法によって妊娠マウスのジカウイルス感染の予防と制御が可能なことを示す証拠であり、妊娠期間中の重要な介入法となる可能性が明確に示されている。
doi:10.1038/nature20564
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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