Research Press Release
流れを逆転させる
Nature Immunology
2011年6月27日
好中球(免疫系で最も多い細胞)が移動する仕組みとその重要性が明らかになった。好中球の移動パターンを測定して制御できれば、脳卒中や血流閉塞による組織損傷など、さまざまな炎症性疾患に大きく影響する可能性がある。
好中球は体内を活発に移動しており、普通は感染部位に最初に到着する白血球は好中球である。S Noursharghたちは好中球を観察し、好中球が脈管構造から組織へと簡単に移動することを発見した。しかし、ある種の炎症の際には、血管にあるJAM-Cと呼ばれる分子の影響を受けて、好中球が逆に組織から血液中へと移動することがわかった。このような逆向きの移動はこれまで哺乳類では知られていなかったが、体内のあちらこちらへ炎症が広がる原因になるらしい。
doi:10.1038/ni.2062
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
動物の行動:犬のテレビを視聴する習慣は性格によって異なるScientific Reports
-
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
素粒子物理学:CERNで観測されたつかみどころのない物質と反物質の非対称性Nature
-
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature