注目の論文
メタマテリアルを「デジタル」化
Nature Materials
2014年9月15日
Metamaterials go ‘digital
さまざまなメタマテリアルの作製を単純化する「デジタル・メタマテリアル」という新しい概念が、今週のオンライン版に報告される。メタマテリアルは、通常とは異なる様式で光や音などの波と相互作用するため、自然界に見られないふるまいをする人工複合材料である。
メタマテリアルのふるまいは、メタマテリアルを構成するサブユニットの特性と並び方によって決まる。メタマテリアルは現在、物体を不可視化するクローキング技術や、従来型レンズ特有の限界がないハイパーレンズの開発に使用されている。
今回Nader EnghetaとCristian Della Giovampaolaは、二進法で1と0を使うのと同じように、反対の特性を持つ2種類のサブユニット、すなわち「メタマテリアル・ビット」を使用することを提案している。次に、コンピューターシミュレーションを用いて、「メタマテリアル・バイト」を構成する複雑さと機能性を高めた層状構造を作り出している。また、さまざまな形状と配置を用いたシミュレーションによって、より複雑な既存のメタマテリアルに見られる多くのエキゾチックな特性を再現できることを明らかにしている。彼らはこの方法が、レンズやハイパーレンズへの応用のほか、透明性やクローキングなどの特性の実現にも利用できることを示している。
doi: 10.1038/nmat4082
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