注目の論文
少ない電力で海水を淡水化する
Nature Nanotechnology
2010年3月22日
Fresh water for less
電池で駆動する海水淡水化装置が実現可能になるかもしれない。既存の淡水化方法は、高い電力消費量を必要とするか、規模が大きい場合のみ効率のよい動作が可能である。したがって、被災地域や極貧地域での使用が困難である。
J Hanらは、イオン濃度分極という現象を利用する装置を開発した。イオン濃度分極は、イオンがイオン選択的ナノチャネルを通して流れるときに起こる。海水が流れる2本のマイクロチャネルの間にナノチャネルが配置され、ナノチャネルに電圧がかけられると、ナノチャネルの一方の端ではイオンが濃縮され、もう一方の端では枯渇する。その結果、ナノチャネルに近い海水中の塩イオンが反発する。この反発領域で一方のマイクロチャネルを2本のチャネルに分岐することによって、塩分濃度の濃い水が取り除かれ、電荷をもたない脱塩水が帯電領域を通り抜け、淡水チャネルへと流れ込む。
この方法によって、最新式の大型プラントと同等の電力効率で、塩の除去もそれよりも大きい粒子(ウイルスや微生物)の除去も可能になる。
doi: 10.1038/nnano.2010.34
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