注目の論文
熱アシスト磁気記録
Nature Photonics
2009年3月23日
Heat-assisted magnetic recording
プラズモニクスを利用して現行の磁気記憶技術の限界を克服する次世代データ記憶方式が、Nature Photonics(電子版)に報告される。
ディスク中の磁性粒子は小さくなるにつれて不安定になり、情報記憶能力が失われる。しかし、温度を上げることによって、問題を解決できる。W Challenerらは、原理検証型の熱アシスト磁気記録(HAMR)システムを作製し、約48,000ギガバイト毎平方メートルの密度でデータを記録した。この値は、現在の最先端のハードディスクドライブと同程度であるが、従来の磁気記録技術(現在、理論限界に近い)では達成しえない値まで向上できる可能性がある。
今回のHAMRプロトタイプの鍵は、毎分2,700回転で回転する磁気ディスクのわずか15ナノメートル上を浮動する記録ヘッドに組み込まれたプラズモニック・トランスデューサーである。棒付きキャンデーのような形のトランスデューサーによって半導体レーザーからの光が微小スポットに収束する。これにより、磁気ディスクにおいて非常に局所的な加熱が可能となるため、微小な高密度データトラックが形成可能となる。
doi: 10.1038/nphoton.2009.26
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