注目の論文

チップスケールの多波長光源

Nature Photonics

2009年12月21日

Chip-scale multiwavelength sources

Nature Photonics(電子版)に発表される2つの独立した研究のおかげで、超高速チップ・ツー・チップ光データ通信機器の実現に一歩近づいた。いずれの研究も、シリコンチップ上に集積化された多波長光源について報告している。これらの結果は、演算能力の向上に役立つばかりでなく、センシングや計測学などへの応用にも有用であろう。

コンピューターの処理能力が向上し続けているため、回路基板中に効率よく膨大な量のデータを送る新しい方法が必要である。現在使用されている金属トラックでは、これらのニーズに応えるのがやっとである。

D MossらとM Lipsonらが開発したオンチップ光源は、1本の光ファイバーで同時に複数のデータチャンネルを、それぞれ異なる波長を使って伝送できる。複数の波長を発生させる光源は既に知られているが、両チームは、チップ上の多波長光源を開発したのだ。これらの光源は、原理上、シリコンコンピューターチップと集積化できるばかりではなく、コンピューターチップと同じ方法で作製可能である。

いずれのデバイスも類似の技術を利用して複数波長を発生させている。しかし、使用材料は異なっており、Mossらは特殊なシリカガラスを、Lipsonらは窒化シリコンを用いている。

doi: 10.1038/nphoton.2009.236

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