注目の論文
【化学】油水分離のための新しい膜
Nature Communications
2012年8月29日
Chemistry: A solution for oil-water separation
99.9%の効率で重力によって水と油を分離するプロセスについて述べた論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。これは、特別に設計された再構成可能な膜を用いることで、さまざまな油水混合液の分離を重力のみの作用で行う方法であり、エネルギー効率も費用効率も高いことが明らかになった。この方法は、流出した原油の除去、汚水処理、燃料浄化、商業用エマルションの分離などの用途に利用できる可能性がある。
膜を用いる従来の油水分離技術は、大量のエネルギーを消費し、(油水分離プロセスを長引かせる)膜の汚損、あるいは単一の膜ですべてのタイプの油水混合液の油水分離ができないことが制約となる場合がある。今回、A Tutejaたちが設計した膜は、表面の化学的性質を再構成でき、毛管力によってエマルジョンを含むさまざまな油水混合液を完全に分離できるようになり、こうした問題点が克服された。そして、この膜を用いたエマルジョンの連続分離が100時間以上実施され、その間、流量は低下しなかった。
メキシコ湾で起こったディープウォーター・ホライズン原油流出事故のような最近の事故では、効果的な油水分離の困難さが浮き彫りになった。Tutejaたちは、この新しいプロセスが、さまざまな用途、とりわけ、流出原油の除去に利用されることを期待している。
doi: 10.1038/ncomms2027
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