ロボット工学:器用に動くロボットハンド
Nature Communications
2021年12月15日
Robotics: A dexterous robotic hand
応答性の高い動きとセンサー機能に必要な全ての部品が組み込まれた高度に器用なロボットハンドを発表する論文が、今週、Nature Communications に掲載される。このロボットハンドは、既存の市販ロボットアームに装着可能で、卵の把持からハサミやピンセットの使用まで、広範囲の課題を実行することができる。
ロボットハンドは、さまざまな課題を実行する能力を秘めている。しかし、このロボットハンドの開発において、ロボットを動かすためのアクチュエーター部品を追加せずに、高度の器用さや適切な力でつかむ能力などの機能を維持することは難題になっている。また、アクチュエーター部品を追加すると、こうしたロボットハンドを既存のロボットアームに組み込むことが難しくなり、その用途が制約を受ける。
今回、Uikyum Kimたちは、ILDA(integrated linkage-driven dexterous anthropomorphic)ハンドという器用なロボットハンドを開発した。このロボットハンドは、20個の関節で構成され、運動自由度が15、指先力が34ニュートン、重量が1.1キログラム以下、コンパクトなサイズ(218ミリメートル)で、触覚センサー機能が備わっている。ロボットハンドには、全ての部品が組み込まれているため、前腕などの部品を追加せずに既存のロボットアームに取り付けることができる。Kimたちは、一連の実験で、このロボットハンドが、さまざまな形状の物体を拾い上げたり、缶を十分に強くつかんで潰したり、卵を割らないようにそっとつかんだりできることを実証した。このロボットハンドは、ハサミで紙を切ることもピンセットで小さな物体をつまみ上げることもできた。
doi: 10.1038/s41467-021-27261-0
注目の論文
-
11月13日
人工知能:数学競技でメダル級のAIシステムNature
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月7日
考古学:デジタル地図によりローマ帝国の道路網が10万キロメートル増えるScientific Data
-
11月6日
人工知能:より公平な人間画像データセットを目指してNature
-
11月5日
気候:極端な強風がタービンの限界を超えて動かす可能性があるNature Communications
-
11月4日
人工知能:言語モデルは信念を知識と事実から確実に識別できないNature Machine Intelligence
