注目の論文
実験室の中の太陽磁場
Nature Physics
2019年7月30日
The Sun’s magnetic field in the laboratory
太陽磁場のらせん構造とプラズマ流の実験室モデルについて示した論文が、今週掲載される。このモデルを、NASAのパーカー・ソーラー・プローブミッションなどの宇宙ミッションを補完する代替方法として用いることで、こうした現象を調べることができる。
太陽風は太陽磁場を押し流す。太陽が回転すると、磁場は、曲がってパーカー・スパイラルと呼ばれるらせん構造になる。磁場の伸びとねじれが始まる領域は、極めて動的であると考えられているが、これまでほとんど調べられていなかった。
今回E Petersonたちは、ヘリウムプラズマを巨大な赤い球体の装置(プラズマ閉じ込め容器)の中で回転させることで、実験室でこのパーカー・スパイラルを再現した。プラズマが十分速く回転すると、その磁場がスパイラルを形成した。次に著者たちは、巨大な赤い球体の中のプローブから得られた磁気構造とプラズマ流の測定結果を用いて、この実験室の恒星風のダイナミクスを解明した。
著者たちは、パーカー・スパイラルは実験室で形成されたスパイラルよりもはるかに複雑で広大であるが、このプラズマモデルは太陽磁場の構造を正確に再現している、と結論付けている。また、彼らは、これを用いて、太陽風の起源と進化をさらに調べることができる可能性があると示唆している。
doi: 10.1038/s41567-019-0592-7
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