注目の論文
体内から消えて無くなる埋め込み型センサー
Nature Electronics
2018年5月15日
Implantable sensors with a disappearing act
有用寿命を過ぎると自然に分解するように設計された、埋め込み型のひずみ・圧力センサーの動物実験の結果が、今週報告されている。このデバイスは、損傷した軟組織にかかる応力をリアルタイムで監視するのに使うことができ、回復期の患者の個別化リハビリテーション計画の設計に役立つ可能性がある。
分解性センサーは、あらかじめ決められた寿命を過ぎると自然に分解するよう設計し、デバイスを摘出する再手術を不要にする新技術である。しかし、既存のデバイスは、検出性能が低かったり、生体適合性が未確認だったりすることが多かった。
今回、P FoxとZ Baoたちは、十分に生体適合性のある材料でできた、伸縮性と生分解性を兼ね備えたひずみ・圧力センサーについて報告している。この埋め込み型センサーの感度は十分高く、0.4%程度の小さなひずみと12パスカル(塩粒によってかかる圧力)程度の小さな圧力を識別できる。著者たちは、ラットの背中にこのセンサーを埋め込んで、生体適合性を調べた。その結果、埋め込んでから8週間経過しても(最初の1週間の初期炎症反応を除いて)有害な炎症反応は見られなかった。
著者たちは、デバイスの分解を制御して、デバイスを組織の治癒に必要な時間だけ維持することもできた。さらに、このセンサーは、分解過程の間も感度が著しく低下することなく動作するよう設計・製作されている。
doi: 10.1038/s41928-018-0071-7
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