注目の論文
星に目を向ける
Nature Nanotechnology
2008年7月7日
Look to the stars
Nature Nanotechnology(電子版)に掲載される論文によると、非常に小さいものを扱う科学のおかげで、はるかに大きいもの、つまり宇宙それ自体をより深く理解できるようになるかもしれない。
ビッグバン以降放射されたすべての光子のうち、98%が電磁スペクトルのテラヘルツ領域(遠赤外とマイクロ波の間の領域)の波長をもつ。これらの光子は地球大気に強く吸収されるため、天体物理学の研究には宇宙に設置されたテラヘルツ望遠鏡が極めて重要である。しかし、将来の高性能望遠鏡の光子検出器は、現在の最先端望遠鏡の100倍以上の感度向上を必要としている。
M Gershenson、B Karasikおよび共同研究者らは、今回、そのような高感度検出器を、ナノサイズのチタン・アイランドとニオブ・ナノワイヤーをつなぐことによって作製した。チタン・ナノアイランドは、0.2 K以下の温度に冷却されると超伝導になる(つまり電気抵抗を失う)。このデバイスは超伝導ホットエレクトロン・ナノボロメーターとして知られるものであるが、その感度が非常に高いのは、周囲からの熱分離が極めて良好であり、熱容量が極めて小さいためである。
doi: 10.1038/nnano.2008.173
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