Volume 589 Number 7843

Editorial

COVID-19関連研究の進展を振り返る連載の第3弾として、疫学がパンデミックにどう影響してきたかを取り上げる。

How epidemiology has shaped the COVID pandemic p.491

doi: 10.1038/d41586-021-00183-z

News

WHOが昨年1月30日に発したCOVID-19についての警告は、なぜうまく機能しなかったのか。

Why did the world’s pandemic warning system fail when COVID hit? p.499

doi: 10.1038/d41586-021-00162-4

急拡大しているSARS-CoV-2の南ア型変異株は、免疫応答を回避している可能性が。

Fast-spreading COVID variant can elude immune responses p.500

doi: 10.1038/d41586-021-00121-z

米国バイデン政権が、科学技術政策局(OSTP)に副局長のポストを新設し、生物倫理と社会的不平等に詳しい社会学者Alondra Nelsonを任命。

‘Inspired choice’: Biden appoints sociologist Alondra Nelson to top science post p.502

doi: 10.1038/d41586-021-00159-z

COVID-19変異株の子どもたちへの感染力、さらには学校閉鎖の効果や影響は、いまだに不明確。

What new COVID variants mean for schools is not yet clear p.503

doi: 10.1038/d41586-021-00139-3

ワクチン接種によってCOVID-19が防がれることが示されたが、集団規模での効果が明らかになるにはもう少し時間が必要に。

Are COVID vaccination programmes working? Scientists seek first clues p.504

doi: 10.1038/d41586-021-00140-w

Scienceを発行する米国科学振興協会(AAAS)が、一部の著者に対して、論文のアクセプトされたバージョンをオープンにすることを認める方針を。

Science family of journals announces change to open-access policy p.505

doi: 10.1038/d41586-021-00103-1

News Features

サイケデリックな精神医学の台頭

How ecstasy and psilocybin are shaking up psychiatry p.506

マジックマッシュルームやエクスタシーの成分が、うつや心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に効果があるという臨床試験結果が出てきているが、承認は困難になると予想される。

doi: 10.1038/d41586-021-00187-9

News & Views

創薬:抗生物質耐性菌が受ける二重の攻撃

A two-pronged attack on antibiotic-resistant microbes p.517

イソプレノイド分子は多くの病原性微生物に不可欠であり、今回、その合成時に作られる中間体がγδT細胞による免疫防御応答を生じさせることが分かった。「免疫抗生物質」は、この二重の脆弱性を利用する。

doi: 10.1038/d41586-020-03660-z

実験物理学:記録的な精度で測定されたヘリウム原子核

Helium nucleus measured with record precision p.518

今回、電子の1つがより重いレプトンであるミューオンで置き換えられたエキゾチックなヘリウム原子を用いて、ヘリウム原子核のサイズが測定された。この結果は、陽子の半径に関する10年来の難題に光を当てている。

doi: 10.1038/d41586-021-00120-0

血液:トウガラシの刺激で動員される幹細胞

Pain-sensing neurons mobilize blood stem cells from bone marrow p.520

今回マウスにおいて、痛みを感知する神経細胞が造血幹細胞を動員させることができ、その刺激の1つがトウガラシの成分であることが分かった。この知見は、幹細胞移植の手順を改善するのに有望である。

doi: 10.1038/d41586-020-03577-7

気候科学:古気候の謎に対する季節的な解

Palaeoclimate puzzle explained by seasonal variation p.521

科学者たちは長い間、地質記録による気温の再構築結果と過去1万2000年間の気候シミュレーションの結果の食い違いに困惑していた。今回、地質記録の季節的な偏りによってこの差異が説明されることが分かった。

doi: 10.1038/d41586-021-00115-x

生物工学:早老症の遺伝子を修復する塩基エディター

Base editor repairs mutation found in the premature-ageing syndrome progeria p.522

致死的な早老状態であるハッチンソン・ギルフォード早老症候群には治療法が存在しない。今回、遺伝子編集ツールであるアデニン塩基エディターによって、マウスにおいてこの状態を治療する方法が得られた。この方法が、効果的な治療法につながる可能性はあるのだろうか。

doi: 10.1038/d41586-020-03573-x

計算材料科学:多様なデータソースによる機械学習

Accurate machine learning in materials science facilitated by using diverse data sources p.524

今回、正確さのレベルが異なるさまざまな方法でデータが収集されることが多い、という事実を利用する機械学習戦略が開発された。そして、この方法を用いて、材料の重要な特性を予測するモデルが構築された。

doi: 10.1038/d41586-020-03259-4

Articles

実験物理学:ミューオンへリウム4イオンを用いたα粒子の電荷半径の測定

Measuring the α-particle charge radius with muonic helium-4 ions p.527

doi: 10.1038/s41586-021-03183-1

材料科学:2テラパスカルまでランプ圧縮されたダイヤモンドの準安定性

Metastability of diamond ramp-compressed to 2 terapascals p.532

doi: 10.1038/s41586-020-03140-4

物性物理学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける相関駆動トポロジカル相

Correlation-driven topological phases in magic-angle twisted bilayer graphene p.536

doi: 10.1038/s41586-020-03159-7

化学:PETリガンド発見に向けたアリールおよびアルキルの金属光酸化還元による放射性メチル化

Metallaphotoredox aryl and alkyl radiomethylation for PET ligand discovery p.542

doi: 10.1038/s41586-020-3015-0

気候科学:完新世と最終間氷期における温暖化極大期の季節的起源

Seasonal origin of the thermal maxima at the Holocene and the last interglacial p.548

doi: 10.1038/s41586-020-03155-x

環境科学:1961〜2017年の土地利用排出を駆動した全球的要因と地域的要因

Global and regional drivers of land-use emissions in 1961–2017 p.554

doi: 10.1038/s41586-020-03138-y

地球科学:赤道付近の大西洋中央海嶺の下にある薄いマントル遷移層

A thin mantle transition zone beneath the equatorial Mid-Atlantic Ridge p.562

doi: 10.1038/s41586-020-03139-x

生態学:外洋性サメ・エイ類の半世紀にわたる全球的減少

Half a century of global decline in oceanic sharks and rays p.567

doi: 10.1038/s41586-020-03173-9

社会科学:オンライン求人プラットフォームを介した雇用差別の監視

Monitoring hiring discrimination through online recruitment platforms p.572

doi: 10.1038/s41586-020-03136-0

神経回路:ショウジョウバエの雌における性的受容性の神経回路機構

Neural circuit mechanisms of sexual receptivity in Drosophila females p.577

doi: 10.1038/s41586-020-2972-7

神経科学:記憶の固定に睡眠が必要か否かは、食物の利用可能性によって決まる

Availability of food determines the need for sleep in memory consolidation p.582

doi: 10.1038/s41586-020-2997-y

植物科学:SHR–SCRモジュールはマメ科植物の皮層細胞の運命を指定して根粒形成を可能にする

An SHR–SCR module specifies legume cortical cell fate to enable nodulation p.586

doi: 10.1038/s41586-020-3016-z

血液:侵害受容神経が造血幹細胞の動員を調節する

Nociceptive nerves regulate haematopoietic stem cell mobilization p.591

doi: 10.1038/s41586-020-03057-y

創薬:IspH阻害剤はグラム陰性細菌を死滅させ、免疫クリアランスを誘導する

IspH inhibitors kill Gram-negative bacteria and mobilize immune clearance p.597

doi: 10.1038/s41586-020-03074-x

コロナウイルス:K18-hACE2マウスにおける嗅覚障害を含むCOVID-19の治療と発症機序

COVID-19 treatments and pathogenesis including anosmia in K18-hACE2 mice p.603

doi: 10.1038/s41586-020-2943-z

生物工学:in vivoでの塩基編集はマウスでハッチンソン・ギルフォード早老症候群を救済する

In vivo base editing rescues Hutchinson–Gilford progeria syndrome in mice p.608

doi: 10.1038/s41586-020-03086-7

ウイルス学:アルファウイルスnsP1のキャップ形成孔は膜に結合したウイルス複製工場のゲートである

Capping pores of alphavirus nsP1 gate membranous viral replication factories p.615

doi: 10.1038/s41586-020-3036-8

構造生物学:グルココルチコイドが結合したアドヒージョン受容体GPR97–Go複合体の構造

Structures of the glucocorticoid-bound adhesion receptor GPR97–Go complex p.620

doi: 10.1038/s41586-020-03083-w

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