Nature ハイライト

実験物理学:ミューオンヘリウムにおける精密な核測定

Nature 589, 7843

今回CREMAコラボレーションは、ヘリウムイオンの唯一の電子がミューオンに置き換えられたミューオンヘリウムイオンで、2S–2P遷移を測定している。ミューオン原子は通常の原子と同じエネルギー準位構造を示すが、準位のシフトが全て拡大されるため、核の性質を調べる優れたツールになる。著者たちは、今回の新しい測定結果を通して、ヘリウム原子核であるα粒子の電荷半径を決定した。これは、この量について原子分光で得られた初めての測定結果である。得られた値は、電子分光による結果と一致しているが精度は約5倍高く、これによって、標準模型を超える理論により厳しい制約が課された。

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